生理面は、自律して機能していて、生存の基礎であり、人生の根拠に相当する。
 生きていることが絶妙にできていることを直に経験し続ける知能も備わっていて、相応の学習もするわけだから、生きる理由を学習するようなものだ。
 記憶を参考に識別し思考し、学習し上達し熟練し、見えない約束やルールや法則なども理解でき、理解し合い協力し合い信頼し合い尊重し合えるようにもなる。
 生存や経験や学習や思考や理解、信頼や尊重や愛や幸福、それらは理解上成立する。しかも、誰でも理解可能で、無料だ。むしろ、売買すると崩壊する。
 以上の、普遍的なことや誰にでも共通することが、当ブログのテーマです。
 もちろん、進化や自身が形成された経緯や生命生理などは、通常は知らない。
 誰でも共通な知能や経験や学習や理解に関することも、理解するとは限らない。
 知らないことは想像もするし、自分のことでも勘違いし思い込みもする。目を奪われ心まで奪われ、自分を見失い人生も見失い、そうであることに気づけなくさえなる。
 よって、好みや価値観は百人百様になる。
 が、普遍的ではなく、共通でもなく、異なるほど、理解し合うことは難しくなる。
 私利私欲を貪り、相殺して蝕み合い、競争で優劣を決め、転嫁し暴力で片づける。
 非理解、非協力、非信頼、非尊重、そういう非知的なことは、むしろ避けたい。
 そうであることは、マスメディアが発達した現代では歴然としているわけですから。
はじめに 更新2013/01/21
目次:無知の悟「俺は、病気ではない、異常でもない」
主観的とは 客観的とは  客観的な考え方の特徴は  主観的な考え方の特徴は
「心を開く」とは 「心眼を開く」とは
「悟り」とは 2016/12/27
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カテゴリ : ◆自分を理解する。

猫だって学習する 5.猫にも愛情がある


 沢山の応援アクセスに、感謝を申し上げます。

 頑張って秋の農繁期も乗り切ります。
 日増しに忙しさが増し、秋の農繁期は11月中旬まで続きます。

 趣味の写真「普遍に臨む」:朝焼け(日の出)・夕焼け(日の入り)の画像は、掲載を休みます。朝露・夜露でカメラがびしょ濡れになる季節になったので、来年に期待します。
 ただし、色づき始めた紅葉は、仕事をさぼってでも撮る予定。



 突然、聞いたことが無い激しい声と荒々しい物音が、一坪半の勝手口から聞こえた。
 振り向くと、戸のガラス部分の勝手口側を何かが駆け登り、天井を蹴ったのか、向こう側の脱衣所の横の下駄箱に降りたのが見え、音は消えた。
 猫用に設けてあげた出入り口から床下に出たのだ……。
 戸を開けて見ると、一坪半の勝手口の天井にまで尿らしきものが撒き散らされていて、爪痕もあり、明らかに天井の一角を駆けたことを物語っていた。
 脱衣所を見た。
 子猫が一匹足りない。
 猫用に設けてあげた、床下に通じる出入り口から、イタチかなにかが侵入して子猫を襲ったのだ……。
 子供を守るために、チビは天井まで追い駆けたのだ……。

 子連れの野生動物は、危険だと聞く。
 山菜採り中に、音もなく攻撃してきたのはフクロウだった。
 鴨や雉の仲間のヤマドリなどの雌は、知らずに近づくと、自分に目を引くかのように怪我をして飛べないとも思える派手な振る舞いをしながら遠退き、その隙に雛たちは一斉に隠れる。
 もちろん、自身を守るためだけなら、さっさと逃げるだけでいい。
 つまり、雌は、自分の命を犠牲にするようなことをしてまで、子供を守ろうとしていることになる。
 命を守る。子供を守る。これこそが、愛情の証だったのだ。

 チビの子猫は、毛もフワフワになり日増しに可愛さが増すばかりだったが、まだヨチヨチ歩きしかできなかった。
 外に出て、床下を覗いてみた。
 チビの前に、白い子猫らしきものが横たわっている。
「チビ。銜えて、ここまで連れて来い」
 が、言葉は通じない。
 むしろ、俺なんかを頼りにしていないのか……。
 長い竹を持ってきて、その先に子猫を載せるようにして、床下から出した。
 棒の先に乗せた子猫を見守るようにしてチビもついて来た。
 子猫は、生きている。が、威嚇の唸り声をだす。
 チビが顔を近づけても、威嚇の唸り声をだす。
 子猫の首に噛まれた跡があり、顔以外は全く力が入らないのだ。
 居間に連れてきた。
 が、チビが近づいても、子猫は威嚇の唸り声をだす。
 苦痛と恐怖感だけが続いているのだろう。
 三十分余りで、子猫は息絶えた。
「チビ。この子の分も、他の子たちを大事にするしかない」


 そもそも、小鳥も、子育てをするために巣まで作る。それどころか、雛に餌を運んで養育する。
 自分が山菜採り中に、音もなく攻撃してきた、否、威嚇してきたのはフクロウだった。自分が知らずに巣に近づいてしまったからだったが、あれには驚いた。
 蜂も、自分の目の前で空中停止して「それ以上は巣に近づくな」と言わんばかりに威嚇したことがあった。あれ以上、自分が巣に近づけば、攻撃されていたはずだ。
 山中を歩く音だけが聞こえ、カモシカだろうと思い、その姿が現れるのを待っていた。すると、楢の木の根元に黒い子犬のようなものが現れて上を見上げた。その楢の木の上の方にも、黒い子犬のようなのがいたので、子熊だと分かった。
 母熊の気配さえしなかったのは、とっくに俺に気づいていて俺を警戒しているからだ。
 子連れの野生動物も、子供を守るために、他に対しては極めて攻撃的になるので、危険だと言われる。
 背を向けるのも危険だと言われる。
 が、その場を早々に去った。

 思えば、保身上、そんな威嚇や攻撃に気を取られがちだった。
 が、むしろ注目すべきことは、彼らは、事前に威嚇することであり、争いになることは避けようとすることだ。
 しかも、彼らの主目的は、むしろ子供を守ることであり命を守ることだったわけだから、こっちを重視すべきだったのだ。
 未熟な子供を守るためだからこそ、自身が犠牲になるようなことをしてまで、威嚇し、それでもだめなら攻撃する。
 そのために、命を懸ける。
 彼らは、地位や名誉や報酬などは望んですらいないんだから。
 命を守り、未熟な子供を守る。これこそが愛だったのだ。


 それは、太古から世代交代を重ねて存続されてきた種族と進化を、より確実に未来に継続させることでもある。
 太古から未来まで生き続ける、その一世代を、命懸けで全うしていることにもなる。

 ということは、愛が高度であるほど、世代交代を着実に行えることになる。
 つまり、愛が高度であるほど、太古から世代交代を重ねて継続されてきた命が、着実に未来へと継続される。
 よって、太古から世代交代を重ねて継続されてきたであろう進化も、着実に未来へと継続される。
 ということは、愛が進化を継続させていることになり、愛によって進化もし続けたのだ。

 進化して、生命生理が高度に複雑に組織化した生物ほど、成熟するまでに時間を要する。
 よって、産まれてからも養育や保護が必須になり、まさに愛が必須になる。
 養育や保護が必須になったことを考えると、愛の進化も必須だったことになる。
 進化は、愛の進化でもあったのだ。
 いずれにしても、愛と進化は切り離せないものだったのだ。


 もちろん、最も進化しているのは人のはずだが……。

 野生動物や猫などは、実践している。なのに、自分は知りもしなかった。
 自分がやっていたことは、色恋沙汰どころか、まさに大人振っただけの騙し合いでしかなかったことが、これで決定的になった。
 相手を替えるたびに、だらしなくなっていったのに、自分の考えや振る舞いには疑問すら抱かなかった。
 むしろ、自分がやっていたことは、幼児が大人用の道具や材料を使って飯事遊びをしているようなものだったのだ。

 人だけが、わざわざお金を支払ったまで他人に預ける。託児所、保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、などなど。
 でも、人は、進化上では関係ないことや、生存上でも重要ではないことを、尤もらしく見せかけもするし、本当らしく裏付け工作もするし、優れたことであるかのように祭り上げさえする。
 そもそも、収入、名誉、地位、権利、権力、財産なども、私利私欲を象徴するようなものでしかなく、非平和的なものだ。
 それらは、人為的に差別基準を工作することでさえある。
 平和に貢献できる立場にある政治家なのに、裏ではろくでもなことをしていたことが、暴かれたりする。
 犯罪や戦争などを問題視させられがちだが、尤もらしく上辺を繕っているに過ぎない文化こそが、実際には詐欺の類で差別的な人工的物だとさえ考えられ、その温床だったのではないかとさえ考えられる。
 その先にあるのは支配や独裁だ。
 進化を考慮しない。生きていることがどういうことなのかも考慮しない。それどころか、国民に見知らぬ同士での殺し合いをやらせる。
 歴史上に、わざわざ汚名を刻むようなことでしかないんだということを理解できない人が指導者になったりする。
 それらは、幸福や愛とは、非なものだったのだ。

 進化上や生存上の普遍的なことや理解力を超越していることなどは、直に経験し続けることだ。
 が、それ以外のことに気を取られると、直に経験し続けていることでも実感もし難くなる。
 直に経験し続けていることである進化上や生存上の普遍的なことや理解力を超越していることなどを実感できなくなると、相応の幸福感も乏しくなり、よって愛情も乏しくなる。

 しかも、進化上のことや生存上のことは普遍的で生物に共通だが、それ以外の非共通なことや人工的なことになるほど、理解し合うことも難しくなる。
 友達は限られ、更に親友は限られ、理解や信頼が重要な恋人は更に限られ、進化上や生存上のことが重要になる子供を産み育てるパートナーは更に限られる。
 人の場合は、最も進化しているはずなのに、家族や親子でさえ理解し合えなかったりする。
 それどころか、人の家庭内では、悲惨な事態にさえなったりする。

 つまり、進化や生存に基づく幸福感や愛情に関しては、猫や野生動物の方が優っている……、少なくとも彼らの方が徹底している……。
 もともと、通貨を用いず、言葉も用いない、そんな野生動物が実践しているんだから。
 命を守り未熟な子供を守ることが愛なら、愛は、お金で売り買いするものではないし、お金で売り買いできるものでもないんだから。

 むしろ、一見、個人なのだが……。
 実際には、生殖機構も備わっていて、太古から世代交代を重ねて継続されてきた種族と進化を未来に継続させることができる。
 その壮大なことの一世代を、誰でも担えるようにできていることになる。

 自分が無知だったから、尤もらしく見せかけ本当らしく工作し優れたことであるかのように祭り上げていること見抜けなかった。
 だからこそ、その上辺だけに目を奪われ心まで奪われたわけだから、自分が愚かだったわけだが……。
 命を守り未熟な子供を守ることが愛だとも知らず、上辺だけ大人振ったわけだから、精神的には大人になっていなかったことになるわけだが、そうであることをすら知らなかった……。

 もちろん、進化に関することや生存に関することを考慮しないほど、産まれる機会に恵まれて生きていられることの幸福感が乏しく、よって命を尊び護る愛情も乏しくなる。
 躾や教育、名誉、地位、財産、権力などは、進化上では障害にしかならないのかもしれない。

 そんなものに、目を奪われ心まで奪われていたのかと思うとゾッとする。

 あっ、そうだった自分の考えを過信するのは厳禁だ。
 自分こそ、勘違いし思い込んでいるだけかもしれないんだから。
 しかも、今の自分にとっては、そっちは邪道でもある。
 数年前に、自分の思いや考えの無理や矛盾に気づくことができ、それを解明できた自分は、まさに恵まれていた。それを、台無しにしかねないことは慎んだ方がいい。
 チビは猫なのに、いろんなことに気づせてくれ、考えさせられ、学ばされることが多い、そんな程度の自分なんだから。

 
カテゴリ : ◆自分を理解する。

猫だって学習する 4.猫にも幸福感がある


 沢山の応援アクセスに、感謝を申し上げます。

 趣味の写真「普遍に臨む」:朝焼け(日の出)・夕焼け(日の入り)の画像は、掲載を休みます。
 8月7日撮影後、天候は好転しないまま現在に至り、残念ですが趣味の写真の期待は萎えてしまいそうです。
 当地では、りんご(品種:つがる)の収穫は終わり、14日から稲刈りを始めた方もいて、そろそろ秋の農繁期が本格化します。



 そろそろ雪解けが始まる頃だった。
 チビのお腹が大きくなってきた。
 昨秋、まだ子猫だったのに……。

 そんなことより、妊娠中から、人の声を聞いていると、人に対する警戒心は薄れるかもしれない。
 そう思い、チビのお腹をさすりながら話しかけることにした。
 その都度、お腹を撫でもらいやすいように体勢を整えるチビは、急に馴れ馴れしくなった。


 チビのお腹は、すっかり大きくなった。
 が、いつごろ産まれるのか、それは知らない。
 むしろ、野生動物は、自然界で自立して生きている。
 人は「野良」と言うが、猫も自然界で自立して生きてゆける。

 つまり、人以外は、自分で出産するし自分で子育てもする。

 むしろ、人だけが、出産を手伝ってもらい、託児所、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、などまで用意されている。

 でも、自分は中卒で社会人になったからだったのか、指図されたことを行って、その報酬で生活していた。
 というより、そうしてしか生きられない不満を癒すために、その報酬を全て費していた。
 大学まで行けば、指図する立場に立てたのだろうか。
 そうだとしても、それだって自立とは言い難い。

 異性関係でも、好結果に通じる具体な知識は、自分には無かった。
 テレビでは恋だとか愛だと言う。
 それを真似たが、上辺だけ尤もらしく見せかけることになり、積極的にもなれず、身体を張った騙し合いをしていた。
 そんな関係なら、続ける方がどうかしている。
 相手を替えたが、だらしなくなるだけだった。

 結局、そんな自分の、思いや考えや固定概念の、無理や矛盾を解明し解決するしかなくなった。
 それが、三年前にできた。
 よって、理解し合い信頼し合い尊重し合うことが重要だったことも分かった。
 が、それとは逆のことをしていた自分は、とっくに失格だった。


 チビが、テレビの前に行き、急に座り、お尻をこっちに向けて足を高々と上げ、お腹が大きいだけに窮屈そうに毛繕いをはじめた。
 意外だった。いつもは、ストーブの傍で毛繕いをしたり眠ったりしているのに……。
「チビ、どうした」
 近寄って見ると、チビのお尻から何かが出てきていた。
 産まれるんだ。チビも出産は初めてだから、知らないんだ。大変だ。どうしよう。全く準備をしていない。
 にわかに箱を用意し、勝手口の向こう側にある風呂場の脱衣所に持ってゆき、その箱にタオルを敷いた。
 そして、チビを抱えて脱衣所に連れて行き、その箱に入れた。
 脱衣所側はドアなので、そのドアを少し開けて、閉まらないようにサンダルを挟んでおいた。

「ニャー」
 居間の戸の勝手口側からチビの声がした。
「はい。産まれたのか?」
 戸を開けると、入ったチビは、早々に座り、お尻の手入れをした。
 チビのお尻の周りの毛は濡れていて、血も付いている。
「産まれたんだな、チビ」
 そう言って、居間から勝手口に出て脱衣所に向かうと、チビもついてきた。
 脱衣所の箱の中にいる、産まれたばかりの子猫は、毛は薄く短く、目は開いていないし、上手に立つこともできない。
 目の前の箱に入ったチビは、子猫が居ない側で箱の端に背中を押し付けるようにして寝ると、お腹を出して「かわいいでしょ」と言わんばかりだ。
「かわいいな」

 チビは、産まれたばかりの子猫を、これ見よがしに見せてくれている。
 子連れの野生動物は、子供を守るために、他に対しては極めて攻撃的になるので危険だとさえ言われる。
 母猫は、子猫を隠して守るとも言われる。
 昨秋、出会った頃は、チビたちも一斉にに逃げ惑い警戒心丸出しだったのに。
 こんなに馴れてくれた。
 気持ちを隠し偽り、言葉を使うだけに口先だけの言い訳や嘘も言い、不都合なことは認めまいと強情まで張る、そんな人の精神面よりも、そういうことができない猫の精神面の方が分かりやすいと思ったことは、間違いではなかった。
「チビは、すごいな」
「ニャー」
「大事にしなきゃ、なあチビ」

 チビは、むしろ傍に人がいた方が安心なのだろうか。
 今も、産まれたことを伝えに来たようなものだった。
 そもそも、産気づいたから、人がいつも見ているテレビの前に、わざわざ行ったとも思える。
 最近、すっかり馴れ馴れしくもなった。

 でも、チビは、出産も子育ても自分でできる。
 人以外の動物は、みんなそうだ。


 むしろ、人だけが、そうではない……。
 なぜだ……。
 出産を手伝ってもらうし、託児所、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、そんなものまで用意されている。
 それらが、本来の自立を支援する内容ではないとしたら……。
 それらこそが、本来の自立を妨げているのだとしたら……。
 人は、勘違いもするし、思い込みもするわけだから……。
 そうだとしたら、世代を超えて文化的な悪循環に陥っていることになる。

 そもそも、生命生理は、自律して機能している。
 知能も備わっている。
 よって、経験でき、学習でき、相応のことができるようになり、上達もする。

 警戒心まるだしだったチビたちも、家に入るようになり、ストーブの周りで眠るようになった。
 警戒すべき相手か、仲良くすべき相手なのかを、識別できるようになった。

 仲良くするためのルールに近いことも学習しているし、噛むときや爪を立てるときは加減もしている。
 仲良くするために、慎むべきことを慎んでいることになる。
 だからこそ、仲良くし合う相手も限られている。

 チビは、戸を開けることも学習し、上達もした。
 必要なことは独自に学習するし、上達もする。

 むしろ、言葉を使わない猫には、言葉で強いることは通用しない。
 だから、相応の言い訳や嘘も猫は学習しない。

 人は、言葉も憶える。
 それをいいことに、大人は言葉で、唆しもするし、煽てもするし、御機嫌取りもし、脅しもし、指図もし、命令もする。
 子供は、拒否し、信頼を回復のために抗議もする。
 それを反抗だと決めつける大人こそが、子供に服従を強いているからにほかならない。
 子供にとっては信頼を回復するための振る舞いなのに、大人は反抗扱いするので、過激にもなる。
 でも、まだ保護養育を要する頃だけに、限界がある。
 むしろ、嫌でも、嫌だとは言えない。
 それゆえに、体裁も気にしはじめる。
 不利なことや不都合なことは知られまいとするようになり、隠し偽ることも学習する。
 言い訳も憶える。申し訳程度のことをすることも憶え、上辺を繕うことを憶える。嘘も憶え、騙し欺くことも学習する。
 しかも、経済的には豊かになっただけに、食べ物には困らなくなったどころか、余して捨てるようになった。お金さえ出せば、上辺を繕うことも容易になり、尤もらしく見せかけることも容易になり、優れているかのように見せかけることまで容易になった。
 流行に左右される。行列まで作る。
 そういう性質上、そういうことに満足している場合だってあり得る。むしろ、そういうことを優れていると勘違いし思い込んでいる場合だってありえる。
 大人の代表とも言え、国際平和に貢献できる立場にある政治家でさえ、裏では不正を行っていたことや、不利なことや不都合なことは可能な限り隠し偽り通そうとしたことや、口封じしたことなどが、暴かれたりする。
 自分を制することができないので、他を制しようとする。
 経済制裁や軍事的処罰は、相手を困らせて服従させることであり、独裁や支配を目指していることを物語っている。
 決して、仲良くしようとしているわけでもない。
 そんな人たちが、教育の内容を左右しているわけだから……。

 そもそも、誰にも知能が備わっていて、誰でも学習して相応のことを行うようになり、基本動作や日常会話は誰でも上達する。
 その学習自体の基本面は、誰でも共通だ。
 猫だって、相手次第で、反撃もし警戒もするが、仲良くもなる。
 本質的に、仲良くすることは好み、嫌悪ゆえに避けるし争いにだってなる。
 つまり、経験内容や学習内容には、問題もありえる。
 ということすら、考慮されていないのかも……。

 が、俺は自分のことをさえ勘違いし思い込んでいた。
 しかも、具体的に解明するまで三年も要したのだ。
 この事実を棚に上げたり、自分の考えを過信することは、厳禁だ。

 むしろ、自分の思いや考えや記憶にあることを、疑問視し確かめたことで、その無理や矛盾を解明でき解決できたのだ。
 だからこそ、目には見えないことを捉えやすくなり、誰にも共通することや普遍的なことが分かってきた。
 これが、俺の促進すべきことなのだ。


 人が自分できないことを、チビは自分でできる。
 俺が教えようが無いことを、チビは独自に学習したし、上達までしたのだ。
 チビに対して、俺が余計なことをするのも禁止だ。
 そもそも知識が乏しい俺は、盆栽でも、軽薄なことをしていただけだったり、枯れ死させることだとも知らずに、そんなことをわざわざしていたことまであったのだ……。
 余計なことをすれば、もちろんチビは子猫も隠してしまう……。
 野性的な面もある猫だけに、本当は俺は居ない方が、チビは安心なのかもしれない。
「チビ、どこへも行くなよ。お願いだから」

 自分は居間に戻った。
 子猫が産まれていることを母に知らせた。
「産まれた」
「……」
「おまえは、見に行っちゃダメだ。まだ見に行くなよ。おまえは、普段から猫を見下しているんだから」
 母親なのに、俺のことだって馬鹿息子扱いしてきたんだから。
 そんな言葉まで口から出そうになった。
 両親とは、理解し合えていなかった。


 が、当時は、両親云々どころではなかった。

 かつては、自分のことを勘違いし思い込み、疑問も抱かなくなっていた。
 直に経験し続けているはずの自分のことであり、経験上の自分のことなのに、ほとんど知らなかった。そうなんだということをすら把握できなかった。
 そうだったことに、やっと気づけた。
 なのに、新たな勘違いをし、思い込み、困窮した。そうなんだということも、把握できなかったからこそ解決できなかった。それゆえの、困窮だった。
 でも、その困窮ゆえに、自分の思いや考えには無理や矛盾がありえることに、ついに気づけた。
 気づけたことで、内向しはじめ、やっと自分の思いや考えの無理や矛盾の解明が始まった。
 真因は自分の思いや考えや概念の無理や矛盾だったことをやっと解明でき、再確認を繰り返し、そのことに関しては二度と陥ることは無いと確信できるまでになった。

 人も、知ることによって、相応の識別や思考や予想や、相応の振る舞いもできるようになる。
 不具合は修正するどころか微調整までするからこそ上達するし、間違いや勘違いを修正するからこそ確かになり詳しくもなる。

 が、そんなことが分かって、まだ三年ほどしか経っていなかった。
 まだまだ、他に、惑わされやすく、煩わされがちだった。


 もちろん、間違いや的外れな勘違いや思い込みなどに気づかず、それを基準にして考えると、正しいことを間違っていると判断することになる。
 そういうことを考慮せず、しかも説得や指導もできないのに、相手が間違っていると決めつけることは、横暴でしかない。
 そんな判断を基に、相手を暴力的に片づけようものなら、横暴の極みでしかない。
 しかも、自分でも認め難く反省し難いことを重ねることになり、その悪循環に陥る。
 自分では創れない高度な知能が備わっているのに、そうであることをすら理解しないで、誤用するどころか悪用さえすることになる。
 自分を制することができない、自分を理解できない、自分を律することができない、それゆえに自ら災いを招いてしまうわけであり、恐怖でもある。

 実際には、自分の思いや考えや記憶に残っていることは、自分だけは直に知り得る。
 だからこそ、自分の思いや考えの無理や矛盾を解明し解決することも可能だった。
 人は、知ることによって、相応の識別や思考や予想や、相応の振る舞いもできるようになる。
 悪循環には二度と陥るまいと思いもするし、再確認も繰り返すし、相応に詳しくもなり、更に具体的に理解することも可能になる。
 このほうが、相手の考えを変えることよりも、明らかに容易だ。
 他に奪われていた目を取り戻し、見失っていた心を取り戻し、自分を理解しはじめたから、植物や動物にも共通することで普遍的なことを理解できるようにもなった。

 なのに、自分の思いや考えに疑問も抱かず、自分の思いや考えを変えることもできないのに、相手の考えを変えようとすることは、横暴でしかない。
 自分が説得できず指導できないを棚に上げて、他を処罰してしまうことは、横暴の頂点に立つことでしかない。

 そもそも、自分のことは省みないと理解することができないだけに、他に目を奪われ心まで奪われると、自分を見失う。
 極めて冷静になれないと、自分の思いや考えの無理や矛盾は、解明できないし解決できない。
 身体の余計な力を抜き、内向し、雑念を払い、考えること自体も一時的に止める。それができるようになると、自分の思いや考えの無理や矛盾の解明も容易になる。
 もちろん、知られたくないことも浮上し認め難いことにも直面するわけだが、それゆえに解明や解決や解消が可能になる。

 自らを律することができるようになる必要がある自分にとっては、真の正義と言えることは、自分の思いや考えを疑問視し、自ら邪念を制し、自らを正すことでしかない。
 それは、学歴や資格を必要とせず、資金も要らず、礼儀や作法も無く、何時でも何処でも可能なことでだり、誰でも可能なことでもある。
 それ以外のことは、自分の場合は二の次でいい。
 特に、目を奪おうとし心まで奪おうとすることには、要注意だ。

 両親が、不都合なことは認めまいと強情を張っても、自分が説得も指導もできないわけだから自分も未熟なわけであり、大差ないのだ。
 怒りは、他者を制しようとする横暴さゆえの興奮であり、無理や矛盾がある考えに対して理性が反応しているがゆえに生じる葛藤だ。
 興奮せず理性的にあるためには、自制すべきことであり、そうであることを理性が示唆してくれていると言っても過言ではない。
 興奮するようでは、こういう類の説得や指導もできるはずがない。
 理性を尊重し理性的で在るために、自ら邪念を制し、自らを律することを、まず自分こそが学習すべきなのだ。
 それが、何時でもできるようになってこそ、精神的に自立したと言える。
 更にその先で、説得が可能になる。
 自分の、想像や勘違いや思い込みや固定概念の無理や矛盾に気づき、具体的に解明でき解決できた俺は、恵まれていると思うしかない。

 猫だって、学習している。
 反撃すべき相手なのか、仲良くすべき相手なのか、そんなことも見分けているし、相応の振る舞いをしている。
 噛むにしても、爪を立てるにしても、相手に応じて加減をしているわけだから。
 だからこそ、相応の同志間では仲良くする。
 そんなことに気づかせ教えてくれる猫には、感謝だ。

 じゃぁ、自分を省みさせる、強情な両親にも、感謝すべきか……。
 反面教師だが、そういうことになる……。
 が、そんなことをしようものなら、両親は増々いい気になる。それじゃ、逆効果だ。
 想い出したり考えたりしただけで、怒りが込み上げてくる。
 率直に、「くそ婆」でいいんだ。


 チビが、また産まれたとを伝えに来た。
 また、見に行った。
 目の前で、チビは子猫がいる箱に入り、子猫が下にならないようにしながら寝て、小さい乳首が並んだお腹を顕にする。
「かわいいくて、うれしくて、しかたないんだな、チビ」
「……」
「こうして、子供を産んで育て、その子供も子供を産んで育て、世代交代を重ねることで種族は生き続けているんだよな」
 まてよ……。
 そうすることによって、太古から世代交代を重ねて存続されてきた生命が、更に未来に継続される。
 だからこそ、進化もし続けてきたのだろう。
 それは、一世代だけでは到底不可能なことだ。
 現実的には一世代に過ぎないが、子供を産んで育てることは、太古から世代交代を重ねて継続されてきた生命や進化などの壮大なことを未来に継続させることだったのだ。
「これこそが至福だったんだ。だから、チビは、うれしくて、しかたないんだ。な、チビ」
「……」
「チビは、すごい」

 自分も、三年前、思いや考えの無理や矛盾を解明し、二度と陥るまいと再確認を繰り返し、二度と陥ることは無いと確信するに至った。
 が、考えが勝手に展開しているような状態になり、それが煩わしくなり、何も考えないことは可能なのかにトライした。
 そして、考えを一切止めることができたからだったのだろう、感動し涙が溢れ、これこそが自分自身そのものだ、ついに原点に戻れた、と思った。
 あれは、生後に知り得たことは勘違いや思い込みもあり無理も矛盾もあるが、それとは関係なく生命生理は自律して機能していることを体験している状態になったからだったのだ。
 生後に知り得たことを、生きていること自体が超越していることを体験している状態になったからだったのだ。
 こんなに大事なことに、チビに気づかされるなんて……。
「至福の、御裾分け。ありがとう、チビ」

 チビは、生後に経験し学習してできるようになったことを、生きていること自体が超越していることを実体験しているんだ。
「まだ産まれるんだろ、頑張れ、チビ」


 生きていることは、どういうことなのか。
 自分は、本来はどういう存在なのか。
 そういうことを気にしはじめてはいたのだが、チビの出産を機に、その観点で根本的かつ体系的に捉えようとするようになっていった。


 そもそも、生命生理は自律して機能している。
 生命生理に関することを未理解だろうが、勘違いしていようが、生後に知り得たこととは関係無く機能している。

 知能も備わっている。
 知能も、生理面は自律して機能している。
 よって、経験でき、学習し、上達もし、相応のことは随意にできるようになる。

 知能が備わっているから、経験でき相応のことを習得できるわけだから、経験や学習以前に知能が備わっていることが重要であり、生後の経験や学習上の知識や思いや考えに対しては知能自体は絶対的な存在でもある。

 しかも、自分は、日常的に活用している知能に関することでさえ未理解だった。
 知らなかったことを憶えた理由や法則に関することである学習に関することも、未理解だった。
 自分が考えていることである想像や勘違いや思い込みに関してすら未理解だったから、勘違いし思い込み困窮した。
 よって、生後に知り得たことを以ては、知能は創れるはずがない。
 つまり、生後に知り得たことを、それ以前に備わっている知能の方が超越している。

 もちろん、生命生理は、野生動物も植物も自律して機能している。
 野生動物にも植物にも世代交代をして生き続ける生殖機構などが備わっているからこそ、世代交代をして生き続けている。
 世代交代を重ねて生き続けているから、進化もしたのだろう。
 生殖機構も、すでに備わっている。
 子供を産むことも、生後に知り得たことを以て随意にできるようになることを、超越している。
 つまり、生後に知り得ることを、それ以前に存在する物事の方がもともと超越している。

 そうであることは、生きているだけで体験していることになるわけだが、子供を産むことは、そうであることを象徴するようなことだったのだ。
 自分が、産まれる機会に恵まれ、生きることを体験でき、それが元々はどういうことだったのかを再確認できることでもあったのだ。

 俺は、これに準じる至福を探すしかないんだ……。


 チビは、同じことを繰り返し、そのつど見に行き、子猫は五匹産まれた。
 記録には、三月二十二日とある。
 そろそろ、家の周りの雪は消えて無くなる頃だったのだ。


 父猫は一向に顔を見せないが……。
 産んだのは、チビだ。
 チビの身体からから産まれた子猫は、まぎれもなくチビの子供だ。
 そういう点でも、人より優っているのか……。


 
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kisuke(喜助)

Author:kisuke(喜助)
 生きていることを尊重し、思考力や理解力を信頼し、それらを理解し合えればいいのだが……
 むしろ、懐疑や不信感に囚われ、不都合なことは避け、言い訳もし、隠し偽りもし、強情を張り、相殺し開き直り、自分でも認め難いことをする。
 尤もらしく見せかけもし、本当らしく工作し、優れたことであるかのように競い争い、私利私欲を貪り砦に籠り、理解し合うことを困難にしている。
 
 投稿は毎月2回(ノルマ)です。

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